小道に面する重厚な扉を開けると、そこは「小さな美術館」。
この建物はいわゆる事務所ビルであるが各階を繋ぐ階段室をギャラリー空間として計画した。施主のコレクションの絵を飾ることが目的であるが、ここに働く人達にとって執務空間とは一線を引き、気分転換が計れる様、自然光を上階から取入れ、吹抜を設け、空間に広がりを感じさせる様に考えた。
階段室壁は絵が映える様「白」を基本とし、吹抜部分一面はあえて「ざっくり」した感じをと思い、割肌の石張りとした。絵の背景としてもよいが、石だけを見ていても自然が垣間見られる様にと考えた。又この吹抜は将来EVを取り付ける事も可能な様に想定してある。
一方、執務空間部分の事務室等は、平面の狭さをカバーすべく、天井を高くした。またそれを最大限活かす様に、柱梁型の出ない、床厚さ30センチ壁厚さ30センチのRCカルバートで構成させている。
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